すごい勢いですね。
僕自身も発売してすぐに購入して、4日ほどで読み上げました。
村上春樹ファンにとっては待望の新作長編小説だったわけですが、読まれた方はいかがだったでしょうか?
僕自身にとって初めて主人公の一人(天吾)と自分が同一化できなかった小説でした。
村上春樹の長編小説ではいつも自分自身のことのように読むことができます。
僕にとっては『ねじまき鳥クロニクル』は自分のことと完全に同一化してしまい、しばらく心が締め付けられて、苦しい思いをしました。
『ノルウエイの森』でもかなり深く同一化して、内容と言うより映像が自分の経験だったかのように脳裏に焼き付いています。
しかし、今回の天吾に関しては明らかに自分と違っており、同一化ができませんでした。
青豆に関しても女性であるという理由以外でもいまいち同一化できませんでした。
これがクリティカルポイントになるわけではないのですが、読み終わってから悲しい気持ちになったり、つらい気持ちになったりといった感情は比較的軽く、一気読みした疲れはあるもののさわやかな気持ちでいます。
村上春樹にとってこの小説が何を意味するのか?
いくつかの新聞で書評が展開されて解釈が拡散しています。
どの解釈もおそらく正しいのですが、人の解釈を自分の中に受け入れるとこの小説はさらに面白くなります。
先日、村上春樹がイスラエル章を受賞した際の講演で「壁と卵」の比喩で戦争や現代について批判しました。
僕はこの名講演を忘れることができません。
ラディカルに、センシティブに、自分の言いたいことをハッキリという村上春樹の姿に感銘を覚えて方は少なくないと思います。
この講演をベースに『1Q84』を読まれるとまた違ったおもしろさがあると思います。
なにはともあれ村上春樹はすごい。
それだけは確かです。
堀 寛史

0 件のコメント:
コメントを投稿